生活習慣病(泌尿器系疾患) [犬と快適に暮らす]

犬や猫も人間と同様に、膀胱や尿道、腎臓などに結石ができてしまうことがあります。
このうち、膀胱や尿道に結石ができるのが「尿石症」です。

結石が周辺の粘膜を刺激し、痛みを生じますが、人間と違って言葉を話せないのが犬や猫。なんとなくお腹を気にしたり、尿の出方が、か弱く「チョロチョロ」という感じになっていたら、早く気づいてあげたいものです。

あまりにも結石が大きく成長したり、1個が細かくても、それがたくさんできたりすると、尿道や尿管をふさいでしまい、尿を出すことができなくなってしまいます。尿は、体中の老廃物や有害物質を、体外に排出する大切なものですから、尿が出せないということは、老廃物や有害物質を体内にため込んでしまうことと同じです。
こうなると、猫の場合はとくに尿毒症に進行しやすく、この病気になってしまうと、あっけないほど短期間のうちに死んでしまうことだってあるのです。膀胱や尿道などに繊菌が感染していたり、炎症が起きると、結石はできやすくなります。

結石を生み出す源は、リン酸やアンモニウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル分。

これらのミネラル分を過剰に摂取すると、それを体外に排出しようと、不自然な量が膀胱にたまります。これらの余計なミネラル分が、膀胱内で集合して結晶化し、さらに結晶が合体しながら成長を続けると、膀胱や尿道で結石となります。水分を十分に摂らない生活が続いたり、日ごろから排尿を長時間我慢したりしていると結石ができやすくなるのは、水分摂取が少なければ尿は濃縮され、排尿を我慢すれば膀胱内に「結石の素」が長時間、滞留することになるためです。

猫の場合は、犬以上に注意が必要です。それは、猫に特有の泌尿器疾患として、猫下部尿路疾患があるからです。これは、膀胱から尿道へ続く「下部尿路」に起きる病気の総称で、尿結石や原因不明の膀胱炎が、猫の体には起きやすいのです。尿毒症の危険もあるので、早めに見つけて治療したい病気といえます。

この疾患は、室内飼いなどで運動量が制限された上、水分摂取量が少ないという生活を続けていると、かかりやすくなります。また、ストルバイト尿石という種類の結石が原因で起きる尿路閉塞は、メスより尿道が狭いオスで発生しやすい病気です。さらに、肥満体質でもかかりやすくなるので、肥満が原因で引き起こされる立派な「生活習慣病」の1つです。結石は再発の可能性が高い病気です。「もしかしたら?」と思ったらすぐ、病院に連れて行くはうがいいでしょう。


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