生活習慣病(高脂血症と高血圧) [犬と快適に暮らす]

人間の世界では、肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病などの耐糖性異常の4つが、「死の四重奏」として、さまざまな生活習慣病や死をもたらす危険な症状とされています。

それは犬や猫にとっても同じです。高脂血症や高血圧は肥満と同様に、さまざまな病気の原因になったり、病気の進行を早めたりする、いわば「触媒」のような働きをします。
血液中の脂肪分が多くなる高脂血症になれば、その脂肪分が動脈にこびりついて血管を硬くし、血圧が高くなるだけではなく、心筋症や腎臓病、糖尿病などの内分泌疾患も招きます。

高血圧になると、常に血管へ刺激が加わるだけではなく、ポンプの働きをする心臓も、高い圧力で血液を送り出すようになるため、大きな負担がかかって疲れやすくなります。

ほかにも、腎臓病の原因になったり、脳卒中や脳内出血の原因にもなります。自覚症状がほとんどないのに、内側から徐々に体を蝕んでいくため、高血圧は「サイレント・キラー」(静かなる殺人者)の別名もあるほどです。

高脂血症にとって、肥満は好パートナー。というのも簡単に悪化させてくれるからです。

脂肪分が多い(脂っこい)食事を摂り続けるとかかってしまうのは、人間七一緒です。さらに、ブドウ糖の代わりに脂肪をエネルギー源としてしまう糖尿病から派生する病気でもあり、逆に糖尿病を誘発する原因にもなるというのもやっかいです。

血圧は腎臓疾患に関係する要素の1つです。例えば慢性腎不全にかかった猫は、全身性高血圧という問題を抱えるケースがあり、その場合は血圧の低下も治療目標になることがあります。

この腎臓には、中に張り巡らされた毛細血管を通じて、血液中から老廃物や有害物質を濾過して取り出し、尿として排出する働きがあります。そこに不具合が生じれば、体内には老廃物や有害物質が取り残されるわけです。

しかしペットの世界では、高血圧や高脂血症は、一般的な「生活習慣病」にまではなっていません。例えば脳梗塞などは、昔は「犬には存在しない疾患」といわれていたほどです。脳内出血などがあっても、それを詳しく診ることができる動物用の機器はまだ普及しているとはいいがたく、血圧にしても計測するのは手術時ぐらい、というのが普通だからです。

高脂血症は、ホルモン的な疾患があって恒常性機能が低下し、脂質代謝異常が見られるという認識が一般的です。

人間よりはるかに寿命が短い分、老化現象が早く訪れるのも犬や猫の特徴なので、高血圧にしても、治療すること自体がほとんどありません。


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